漢方治療入門講座

漢方薬を扱う上での心構え

漢方薬を扱う上での心構え
 
漢方薬と言っても生体にとっては異物です。効果があればその反面、害も生じかねません。そのため使用する上では、適切かつ必要最小限に使用すべきです。誤用を続ければ生命をも奪いかねません。
漢方薬を使用していて好ましくない症状が出たら、まず投与薬方のせいではないかと考える習慣をつける必要があります。
例) 風邪をひいた 
  ⇒ 薬で体を冷やした、または体力を奪ったためでないか
 

生体を見直す
 
漢方医学は2000年以上前の医学であり、自覚症状の改善を主眼としています。
漢方薬は身体全体の調子が良くなる、気分が良くなる、顔色が良くなる、食欲が出た、心地よく寝られることなどを目標にして用いるべきであり、現代医学の検査データのみにとらわれないことが重要です。なぜなら現代医学がとらえている検査データは、生体のあくまでも一部の情報に過ぎないからです。
生体は言わば大きなブラックボックスです。
現代医学とは異なる観点から生体をとらえる漢方医学を用いるには、現代医学を超えた大きな視点から生体を捉える必要があります。
例) 小柴胡湯で肝機能障害の改善 
⇒ 単に裏寒に陥らせ、生命力が衰え、検査データが低下しているだけのことも考えられます。
※小柴胡湯は肝熱を冷ます薬です。
証を無視しして、長期間投与すれば身体が冷え込み、裏寒に陥らせる可能性があります。
 
 

ページトップへ