漢方薬とは天然の生薬
漢方薬は天然の生薬から構成され、その多くは野山に生える草根木皮や果実、種子を修治(炙る、皮を去る、節を去る)して使用します。また動物や鉱物も使用します。
これらの中には日常、食べ物として摂取しているものもあり、例として以下のものが挙げられます。
・みかんの皮
陳皮(ちんぴ) ⇒ 六君子湯に配合されている。
・葛
・らっきょう
(かという字は木偏に舌と書きます)
本草綱目には約2000種類が記載されていますが、この世に存在するもの全てを薬として生かして用いていると言っても過言ではないでしょう。
・髪の毛の黒焼き
・かまどの土
日常良く用いられる生薬は約200種類程度です。
現代医学で用いられる薬の中には漢方薬で使用される生薬を抽出したり、化学的に合成したりして用いられる物もあります。
・麻黄 … エフェドリン
・甘草 … グリチルリチン
麻杏甘石湯 …(麻黄+杏仁+石膏+甘草)
このように漢方薬は柔軟性を持つため、現代医学の薬と比較して、はるかに安全性が高いのです。
その上、漢方薬は多くの場合は数種類の生薬を組み合わせ、薬物の相加・相乗・相殺作用をうまく利用し、薬効を高めると共に安全性をも増しています。
漢方薬と民間薬の違い
漢方薬が傷寒論や金匱要略などの原典に記された用法・用量に従って用いられ、あらかじめ誤治や服用後の変化に対処できる様に指示されていますが、民間薬は民間で経験に基づいて伝承されたもので、多くは一種類の薬草を用いています。
・六君子湯
甘草…1g / 乾生姜…0.5g / 人参…4g /白朮…4g / 茯苓…4g/
大棗…2g / 陳皮…2g / 半夏…4g(成人一日量)
・ドクダミ(十薬)
10~20g/日(成人一日量)