陰陽について
相対的認識法について
漢方医学は2000年以上の昔、古代中国で発展した医学で、古代中国における基礎的な考えである陰陽論(相対的認識法・二元論的一元論)に基づき生体・疾病の観察及び治療を行ないます。
陰陽を総合的指標としていますが、さらに虚実、寒熱、表裏などの物差しを用い病態を把握し治病方針を立てます。
例えば発熱し、現代医学では解表剤の適応となる時、漢方医学では現代医学の解熱鎮痛剤に相当する解表剤の適応となる陽証か、体を強く温め新陳代謝を高める温裏剤の適応となる陰証かを注意深く観察します。
陰証を陽証と間違えて解表剤を投与(誤治)すると、解熱しないばかりか、例え解熱しても体をだるがり無闇に苦しむようになることがあらかじめ分かっているからです。
現代医学の解熱鎮痛剤を投与して、訳もなく体をだるがったり、苦しがったりした症例を経験されたことはありませんか?
漢方医学の立場からみると解熱鎮痛剤の適応でないのに誤って用いた(誤治)ことになります。
漢方医学は、現代医学の解熱鎮痛剤に相当する解表剤ごときにも適応を厳密に考え、まさに解表剤の適応する時と判断しなければ発熱していても解表剤を投与しないのです。