各種疾患への応用

漢方薬と西洋医学の薬を併用する要点

漢方薬と西洋医学の薬を併用する要点

薬と体のバランスを考えながら投与する

西洋医学の薬は漢方医学の立場からみると攻撃剤に分類されます。
虚弱となった今日の子供に漢方医学の攻撃剤と西洋医学の薬を併用すると薬が強すぎ、身体を冷やし裏寒に陥らせたり、胃腸の働きを弱らせて返って病気の治りを悪くすることがある。
人参湯や真武湯など温裏剤や、六君子湯など補気剤を投与し自然治癒力を高めながら、西洋医学の抗生剤などを短期間投与することをお勧めします。

  • 例1
風邪をひいて咳、鼻水、便がゆるく食欲が無い。
顔色が悪い、手足が冷えている。

人参湯を投与し鼻水が止まり、食欲がでて元気になり、便も良くなったが咳がしつこく出ている。
人参湯に抗生剤を併用し、咳が落ち着いた。
抗生剤を止め、人参湯だけにして身体を調整する。

  • 例2
風邪をひいて発熱、良く診ると腹や足が冷えている。

真武湯(あるいは真武湯と人参湯を交互に)を投与し、熱があっても元気にしているが熱が下がらない。冷えは分かりにくくなった。
真武湯(あるいは真武湯と人参湯を交互に)を投与しながら解熱剤を投与し解熱。
解熱剤を止め、真武湯「あるいは真武湯と人参湯を交互に」だけにして身体を調整。

  • 例3
風邪をひいて咳、鼻水、口が渇き水分を良くとる。口唇が赤く、かさかさしている。

小柴胡湯の一つ手前の軽い少陽の熱をとる六君子湯を投与し鼻水が止まり、元気にしているが咳がしつこい。
六君子湯と抗生剤を短期間併用、あるいは証に従って小青竜湯、柴朴湯など咳止めの漢薬に転方。
 

ページトップへ