成人のアトピー性皮膚炎に人参養栄湯
男性(25歳)
167 cm、64 kg。ひ弱な身体つきでなく、仕事も休まず続けています。汗かきで、寝汗をかきやすく、皮膚が痒くて眠りが浅い。食べ過ぎるほうで、夏が弱い。補中益気湯や清暑益気湯を主として投与していました。
某年8月 受診: 夏ばてしてしんどそう。眠りが浅く、胃がつかえ、気血両虚し、臍下が冷えている。人参養栄湯エキス顆粒6g分2に変更
一ヵ月後、受診: 湿疹がかなり落ち着き、寝られるようになり、気分も楽であると。引き続き同じ処方を続ける。
4ヵ月後、受診: 湿疹は人参養栄湯で良くなった。
一般的には人参養栄湯や十全大補湯など気血両補剤は病後などで著しく病み衰えた人に投与することになっており、この患者さんのように一見、元気な青年には投与しがたいのですが、アトピー性皮膚炎のため気力体力が著しく萎えた状況を考慮して気血両補剤を投与すると好結果が得られることが多いのです。