過活動膀胱、不眠に猪苓湯合四物湯
女性(/80歳)
痩せて、皮膚がカサカサし、顔色が悪い。ヨボヨボで歩くのもおぼつかなく、家人に連れられて受診。間質性肺炎、認知症。半年前より上記症状で過活動膀胱の西洋薬を服用するがはかばかしくない。
夜間尿6回、残尿感、不安感、不眠あり。胸にわずかの熱を感じ、心血虚と思われ、猪苓湯合四物湯5g/日(分2)投与。
一ヵ月後、夜間尿が2-3回/日と減り、良く寝られ、食欲も出てきた。歩くようになり、元気になったと、喜ばれる。。
猪苓湯合四物湯は膀胱炎 尿道炎 膀胱神経症 腎結石 腎炎 ネフローゼに用いられる薬とのイメージが強いのですが、
傷寒論に(下痢六七日、喘して嘔渇し、心煩眠ることを得ざるものは猪苓湯之を主る)との条文があり、風邪、咳、不眠、自律神経失調症、尿漏れなどに応用できる処方です。