高血圧に七物降下湯合釣藤散
男性(53歳)
53歳 男性 2年前より高血圧にて最高血圧160、最低血圧100程。降圧剤を服用するのを嫌い、経過観察中。精神病院の看護師で、3交代の不規則なストレスの多い、仕事をしている。眠りが浅く、疲れやすく、眼がしょぼつき、頸肩の凝りが酷く、時折、頭痛がある。腰椎ヘルニアの既往があり、起床時に腰が重い。小柄であるががっしりした体格をし、眼球結膜は充血し、のぼせた顔をしている。ストレスに効く、釣藤散と七物降下湯を各5g/(分2)を投与。
1ヵ月後、気分が良くなり、頸肩が楽で、腰も調子が良い。血圧も下がってきた。
3ヵ月後、よく眠れるようになり、頭痛もない。血圧が145-85程に安定。
1年4ヵ月後、血圧が140-80程と安定している。体調はすこぶる良く、生き生きとした顔つきで、のぼせはない。
解説
七物降下湯は血虚で、最低血圧が高い、高血圧症に投与して効果の高い処方です。今日の日本人は携帯電話やパソコンなど電子機器を使いすぎ、肝気が高ぶり、興奮し、頸肩の凝り、眼の疲れ、眩暈、不眠を訴える人が極めて多く、肝気を平らかにし、脳神経の異常興奮を抑える効果がある釣藤鈎の配された七物降下湯の適応が極めて多い。釣藤鈎が配され、気の上逆を治す効果の高い釣藤散と合方して投与すると、一層効果を実感する。