漢方症例集

葛根湯使用過誤の風邪に真武湯

葛根湯使用過誤の風邪に真武湯
男性(57歳)
寒気がし、頸肩が凝り、風邪を引いたように感じて、手元にあった葛根湯を2袋一度に服用。
その後、続けて2回、同様に葛根湯を服用した。頸肩の凝りは幾分改善したが、発汗過多となった。身体もだるい。背中の心兪や肺兪辺りが触ると冷たい。膻中や心下も冷たい。
裏寒、真武湯証と判断し、真武湯を服用してもらう。身体が温かくなり、気分がよくなった。頸肩の凝りも改善。
元気な人であるが、平素、寝汗をかき、陰虚、六味丸証と思われた。落ち着いたら、六味丸を服用されるように指示。
陰虚があるのに、葛根湯を大量に服用し、強く解表を図ったために、裏寒に陥ったと思われる。

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