漢方症例集

風邪のひきはじめに真武湯

風邪のひきはじめに真武湯
男性(50歳)
高血圧、高脂血症にてニフェジピン、コレスチミドを投与中である。大柄でがっしりした体格で太り、顔が浅黒い。高血圧、高コレステロール血症、高尿酸血症、糖尿病予備軍ですが、生活習慣の改善が全然出来ないため、年々、数値は上がるばかり。色々、漢方薬を試しましたがうまくいかず、ついに最近は西洋医学の薬を服用していただくことになったが、真武湯エキス顆粒だけはいつも所望される。喉が痛んだり、寒気がしたり、身体がだるくなったり、発熱を来したりする風邪の初期の症状がある時、真武湯を服用すると早くすっきり治ると言われます。一見実証タイプの方ですが、よく診ると手は温かくても手首、両膝が冷え、上腹部や臍の上の水分のツボの辺りを触ると冷たいことが多い、隠れた裏寒のある方です。
 
日常診療の中でこの患者さんのように一見、実証タイプの人でも隠れた裏寒の潜んでいる方は現実に沢山おみえになります。現代の風邪のファーストチョイスは葛根湯でなく、真武湯なのです。 
 

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